しかし、栄華は長く続かない。1965年に勃発した「9月30日事件(クーデター)」により、スカルノ政権は失脚へと追い込まれる。政局が激変する中、妊娠中だった彼女は命の危険に晒されながらも国外へ脱出。ヨーロッパへの亡命を余儀なくされた。
愛する夫との別れ、政変による財産の凍結という絶望的な状況下でありながら、彼女は決して屈しなかった。パリへ渡ったデヴィ・スカルノは、社交界の寵児として再び返り咲く。外交・国際政治の裏側を知り尽くした「東洋の真珠」のサロンには、各国の王族や映画スター、実業家が集い、過酷な運命を乗り越えた女性としての気概が世界中の人々を魅了した。