テレビドラマをめぐる議論でいまだに散見されるのが、「世帯視聴率の低下=ドラマの失敗」という短絡的な見方です。しかし、2026年現在のテレビビジネスにおいて、世帯視聴率のみを評価軸とする手法は完全に形骸化しています。
現場取材を通じて得られたデータによると、現在の広告主や制作現場が最重要視しているのは、「個人視聴率(特にコア層の占有率)」と「配信プラットフォームでの総再生回数」です。世帯視聴率が1桁台であっても、TVerでの再生数が週間300万回を超え、U-NEXTの新規加入者獲得ランキングで上位に入れば、商業的には大成功とみなされます。
また、「原作付きドラマは改変されると必ず炎上する」というネット上の言説も一面的な見方に過ぎません。近年のTBSドラマチームは、原作者との対話を徹底的に重ねるスクリプト・ドクター体制を確立。映像化にあたって補強すべきキャラクターの心理描写や、現代の倫理観に合わせたアップデートを原作者公認で実施することで、原作ファンからも「解像度が高まった」と好意的に受け止められるケースが急増しています。