日本クロスビデオを語る上で欠かせないのが、他社とは一線を画すキャスティング戦略です。メジャーレーベルでトップを張る単体女優ではなく、個性的でアングラな魅力を放つキカタン(企画単体)女優や、新人モデルを積極的に起用しました。
作品一覧を俯瞰すると、1980年代末期から1990年代中期にかけてリリースされた作品には、明確なコンセプトが存在していました。
- 密着ドキュメント風シリーズ:オーディション風景や楽屋裏のリアルな素顔を装い、虚実皮膜の緊張感を煽る演出。
- シチュエーション特化型企画:密室、出張撮影、素人参加風の設定など、視聴者の覗き見趣味を刺激する低予算アイデアの極致。
- サブカルチャー越境作品:当時のアングラ雑誌やカルトシネマの影響を色濃く受けた、前衛的とも言える奇抜なプロット。
歴代女優のラインナップには、後に別名義でメジャーレーベルへ移籍してトップ女優へ上り詰めた人物や、数作のみ出演して忽然と姿を消した伝説的な存在が名を連ねています。当時の専門誌のレビューやネットの反応を検証すると、「パッケージ写真の怪しさに惹かれて購入したが、内容の生々しさは大手作品の比ではなかった」「チープだが演出の熱量が異常だった」といった熱狂的な評判が残されています。