2020年、森且行はついに悲願であった日本選手権オートレースでの初優勝を果たした。SMAPのメンバーと交わした「日本一になる」という約束を果たした瞬間だった。だが、歓喜の直後に悪夢が襲う。2021年のレース中に落車し、骨盤骨折など命に関わる大怪我を負ったのだ。
数回に及ぶ大手術、絶望的なリハビリ。車椅子生活から再びバイクに跨るまでの過酷な道のりを支えたのは、ほかでもない息子の存在だったと言われている。諦めそうになる自分を繋ぎ止めたのは、「父親として挑み続ける姿勢を息子に見せたい」という意志。幾度となく挫けそうになりながらも、再び競走車に立ち向かった彼の背景には、静かに寄り添う家族の温かい手があった。