「々」が漢字ではない最大の理由は、日本産業規格(JIS X 0213)や文字コードの国際規格Unicodeにおいて、漢字(Ideograph)ではなく「特殊記号・約物(やくもの)」に分類されている点にあります。Unicodeにおける定義コードは「U+3005」であり、文字ブロックは「CJK Symbols and Punctuation(日中韓の記号および句読点)」に属しています。
日本語の表記体系において、同じ文字を連続させるときに用いる符号を総称して「踊り字(おどりじ)」または「畳字(じょうじ)符号」と呼びます。「々」はこの踊り字の代表格であり、句読点(、や。)や長音符(ー)と同列の「符号」であって、独立した意味と音を持つ漢字体系の外側に位置しているのです。
ここで一つの疑問が生じます。「漢字ではないのなら、なぜ漢和辞典に載っているのか、そして姓名判断で画数が計算されるのか」という点です。大手出版社各社の漢和辞典編集部が明かす編纂基準によると、これは利用者の利便性を最優先にした例外処置に過ぎません。
漢和辞典を引く読者が「々」を漢字だと思い込んで探すケースが極めて多いため、大半の辞書では便宜的に第1画の形状から「ノ(はらいぼう・のかんむり)」部首に分類し、総画数を「3画」として巻末や付録の難読文字欄に収録しています。字引の構造上、形式的に分類されているだけであり、文字学的な正式な部首が存在するわけではない点に留意が必要です。