その健康食が膵臓を壊す?2026年版・負担を減らす食事とNg習慣

その健康食が膵臓を壊す?2026年版・負担を減らす食事とNg習慣

その健康食が膵臓を壊す?2026年版・負担を減らす食事とNg習慣の背景について、最新情報を取りまとめてご紹介します。

糖質制限ブームや地中海食の流行に伴い、「アマニ油やえごま油、アボカド、ナッツは毎日積極的に摂るべき」という言説が定着しました。しかし、膵臓の病態生理を考慮したとき、この常識は真っ向から覆されます。膵臓は三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)のすべてを分解する強力な消化酵素を分泌していますが、なかでも脂質を分解できる唯一の消化酵素「リパーゼ」を一手に引き受けています。

胃や小腸は炭水化物やタンパク質をある程度単独で分解できますが、脂質だけは膵臓からリパーゼが十二指腸へ分泌されなければ一切消化できません。どれほどオメガ3脂肪酸や不飽和脂肪酸が豊富で「血管に良い油」であっても、膵臓のリパーゼ分泌細胞から見れば、ラードや天ぷら油と全く同じ高分子の脂質に過ぎません。脂質が胃から十二指腸へ送られてくると、消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)が分泌され、膵臓に対して「全力で酵素を出せ」という猛烈な刺激が走ります。

すでに機能が低下している膵臓や、潜在的な炎症を抱えている膵臓にこの刺激が加わると、膵管内で酵素が滞留し、あふれ出た酵素が自分自身の組織を溶かし始める「自己消化」の引き金になります。「健康のために毎日ミックスナッツを一掴み食べ、サラダにはエキストラバージンオリーブオイルをたっぷりかけていた」という人が、慢性的なみぞおちの痛みに苦しめられている事例は、医療現場で決して珍しくありません。

また、「大根おろしや生キャベツに含まれる酵素が膵臓の消化を助ける」という俗説にも注意が必要です。野菜に含まれるジアスターゼ(アミラーゼ)は炭水化物の分解をある程度助けるものの、胃酸によって大部分が失活します。何より、膵臓が最も疲弊する「脂質の分解」を野菜の酵素が肩代わりすることは生物学的に不可能です。消化酵素を助ける食材の真相とは、「消化剤代わりの食材を食べる」ことではなく、「膵臓に消化酵素を出させないよう脂質を極限まで削ぎ落とす」こと以外にありません。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。