法的な観点、とりわけ憲法・行政学の文脈において、日本国内の最高行政責任者を指す唯一の正式名称は「内閣総理大臣」である。「総理」はその公式な略称だ。
内閣総理大臣が誕生するまでには、憲法上の厳格なプロセスが存在する。まず、国会(衆議院・参議院)において国会議員の中から指名が行われる(国会指名)。衆参で指名が分かれた場合は衆議院の優越が適用され、最終的に国会の意志として決定される。その後、皇居での親任式を経て天皇により正式に任命されるというステップを踏む。
一方、「大臣」の正式名称は「国務大臣」だ。内閣総理大臣が指名され組閣を行う際、全閣僚を自由に指名・任命する。つまり、大臣たちの生死与奪の権(罷免権)を握っているのが内閣総理大臣なのである。行政権の行使において、総理は単なる「大臣たちのまとめ役」を超えた絶対的な指揮権を有している。