1990年代後半から2000年代にかけて、日本のテレビバラエティは大きな変革期を迎えていた。その中心で爆発的な存在感を示したのが、圧倒的な威圧感で夫を翻弄するカイヤの「鬼嫁」キャラクターだった。特に『踊る!さんま御殿』をはじめとする人気バラエティ番組では、彼女の暴走ぶりと川崎の恐妻家ぶりが絶妙なコントラストを生み出し、高視聴率を叩き出す鉄板コンテンツとなった。
しかし、メディアの熱狂は同時に二人の実生活を蝕んでいった。ワイドショーは毎日のように夫妻の不仲や浮気疑惑を煽り、カメラは私生活の細部まで追いかけた。視聴者が求める「激しいバトル」を演じるほどに、夫婦間の亀裂は修復不可能なレベルへと深まっていったのである。エンターテインメントとして消費された夫婦の日常は、裏で本物の悲劇へと変貌を遂げていた。