刑事裁判の終結後、遺族は加害者らおよびその保護者の監督責任を追及するため、民事訴訟に踏み切りました。損害賠償請求裁判の経緯を辿ると、2000年7月、東京地裁は加害者4人とその両親に対し、総額約5,211万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。しかし、この勝訴判決こそが、遺族にとって新たな過酷な試練の始まりでした。
いわゆる賠償金未払い問題の真相は、日本の法制度における「勝訴しても取れない」という構造的欠陥にあります。民事判決が出ても、加害者側に資力がなければ強制執行は空振りに終わります。さらに、加害者たちが定職に就かず転居を繰り返せば、給与や預金口座の差し押さえすらできません。
くわえて、民事上の債権は10年で消滅時効を迎えます。母親は時効消滅を防ぐため、2009年以降も弁護士費用を工面しながら時効中断のための訴訟を提起せざるを得ませんでした。賠償金が支払われないどころか、権利を維持するためだけに遺族が精神的・金銭的負担を強いられ続けるという理不尽が、30年以上にわたり続いています。