三大欲求のバランスは固定されたものではなく、性ホルモンの血中濃度や年齢、生体バイオリズムによって劇的な個人差と性差が生じます。国内の各種意識調査データや内分泌学の知見を総合すると、男女間で欲望の配分バランスに明確な傾向の違いが確認できます。
男性の場合、精巣から分泌されるテストステロンが性欲の強力な推進エンジンとなります。テストステロン濃度は女性の約10倍から20倍に達し、視床下部を直接刺激して視覚的・直接的な性的興奮を誘発します。20代から30代前半の男性では「睡眠40%:食欲35%:性欲25%」といった具合に性欲が一定の比率を占め続けますが、40代以降にテストステロンが漸減(男性更年期)すると、性欲の割合は急速に後退し、睡眠や疲労回復への希求が突出する傾向を示します。
対照的に女性の欲求バランスは、月経周期に伴うエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌変動によってダイナミックにシフトします。排卵前後のエストロゲン分泌ピーク時には性欲や活動性が高まる一方、排卵後の黄体期に入るとプロゲステロンの影響で体温が上昇し、眠気や糖質への食欲が跳ね上がります。女性の欲求比率は固定値ではなく、月間カレンダーの中で「睡眠50%:食欲40%:性欲10%」の時期と「睡眠30%:食欲30%:性欲40%」の時期が波のように循環する構造を持っています。