「兎追いし かの山、小鮒釣りし かの川」――誰もが一度は口ずさんだことのある文部省唱歌『故郷(ふるさと)』。その作詞者である国文学者・高野辰之が幼少期を過ごした生誕の地が、まさにこの豊田地区である。駅の名称に冠された「ふるさと」という言葉には、彼の描いた原風景を守り継ぐという深い誇りが込められている。
施設から車で数分の距離には「高野辰之記念館」が佇み、直筆の原稿や当時の貴重な資料に触れることができる。周囲に広がる穏やかな田園風景と斑尾山を望む景観は、100年以上の時を経た今も歌詩の情景をそのまま残しており、ドライブの合間に立ち寄る文化散策ルートとして格別の趣がある。