「行政書士に合格したから、次は司法書士を目指そう」と考えた学習者が、テキストを開いて数週間で絶望する光景は珍しくありません。なぜ司法書士試験の難易度はここまで桁外れなのでしょうか。その理由は、必要とされる勉強時間3,000時間という量的な壁と、試験制度の構造的な質の違いにあります。
行政書士試験の標準的な学習時間は約600〜1,000時間とされ、合格率は10〜15%程度です。しかも行政書士試験は「300点中180点以上」を獲得すれば全員が合格できる絶対評価に近い性質を持っています。これに対し、司法書士試験は相対評価の超選抜試験です。周りよりも1点でも多く得点しなければ枠に入れません。
法律系資格の最高峰である司法試験・予備試験と比較した場合でも、司法書士の難易度は特異な位置を占めています。司法試験・予備試験の難易度ランキングにおいて予備試験がトップに君臨するのは論を俟ちませんが、司法書士はそれに次ぐ「事実上の準トップ」として評価されています。特に登記法(不動産登記法・商業登記法)における緻密な実務知識の要求度は、司法試験の出題レベルを凌駕すると法曹関係者の間でも評されるほどです。