「手をかざすだけで心身が癒やされる」という触れ込みに対して、多くの人が抱く最大の疑念は「科学的な根拠があるのか」「新興宗教の勧誘ではないか」という点です。結論から整理すると、レイキは大正時代に臼井甕男(うすい・みかお)氏が創始した民間療法であり、特定の宗教法人や教義とは一切関係がありません。発祥の地である日本よりも先に、アメリカやイギリス、ドイツなどの海外医療機関において、がん患者の痛みの緩和ケアや術前術後のリラクゼーション補完療法(統合医療)として導入が進んだ歴史的背景を持ちます。
では、国内のネット掲示板やSNSで「怪しい」と噂される要因はどこにあるのでしょうか。取材班が現場を調査したところ、要因は大きく2つに集約されます。
第1に、一部の悪質なサロンによる「病気が治る」「悪霊を祓う」といった薬機法・医師法に抵触する誇大告知です。レイキは医療行為ではなく、あくまで深いリラクゼーションを通じた自然治癒力のサポートに過ぎません。医療の代替として絶対視させる言動が、社会的な不信を招く引き金となっています。
第2に、施術後に現れる心身の反応に対する説明不足です。いわゆるレイキヒーリング効果と好転反応として、施術直後から翌日にかけて「強烈な眠気」「だるさ」「一時的な頭痛」「感情の揺らぎ」を訴える利用者が少なくありません。東洋医学でいう瞑眩(めんげん)反応に近い現象ですが、事前説明がないまま強い倦怠感に見舞われた受療者が「怪しいエネルギーに当てられて体調を崩した」と口コミに投稿し、ネガティブな風評が拡散するサイクルが生じています。