日本橋水天宮がこれほどまでに安産の象徴として篤く崇敬されている背景には、江戸時代に久留米藩第9代藩主・有馬頼徳公が藩邸内に水天宮を勧請し、庶民にも塀越しに参拝を許可した「情け有馬の水天宮」という深い歴史があります。当時から安産や子授けの神徳で知られ、鈴の緒の晒(さらし)を安産のお守りとして授かった妊婦が無事に出産した逸話が、現在の「御子守帯(みすずおび)」の起源となりました。
しかし、行く前に絶対に把握しておくべき決定的な事実があります。それは、「水天宮の安産祈願は日時指定の事前予約が一切できない」という受付システムです。どれほど遠方から訪れようと、当日の朝に並んだ順番でしか案内されません。
水天宮の公式案内によると、祈祷の受付時間は午前8時から午後3時まで。祈願の開始時刻は通常日が午前9時15分からであるのに対し、人出が集中する戌の日は繰り上げられて午前8時30分から順次執行されます。この「当日先着順」という仕組みを知らずに訪れ、昼前後の最も混み合う時間帯に到着して炎天下や寒空の下で長蛇の列に巻き込まれるプレママが毎年後を絶ちません。まずは「予約システムは存在せず、当日の行動計画がすべてを左右する」という現実を強く認識する必要があります。