投扇興の点数表を理解するうえで避けて通れないのが、東西で発展した「流派による文化体系の違い」です。江戸の町人文化の中で洗練された浅草流(浅草観光連盟・浅草投扇興保存会系)では、役名に紫式部の『源氏物語』五十四帖の巻名が冠されています。一方、京都の公家文化や宮中の雅を受け継ぐ御所流や都流(みやこりゅう)では、『百人一首』の和歌や名所旧跡に由来する役名が用いられます。
同じように「扇子と蝶が枕を挟んで落ちた」状態であっても、浅草流では源氏物語の情景になぞらえた優美な名が付き、都流では古歌の響きを持つ名で呼ばれるため、初心者が異なる流派の点数表を混同すると混乱を招く原因になります。主要流派における構造的差異を比較整理したデータが以下の通りです。
初心者が入門する際は、まず国内で最も公式大会や解説資料が多い浅草流の点数表から覚えるのが最短ルートです。浅草流の点数表は、浅草観光連盟などの公式サイトや保存団体のWebページからPDF形式で無料ダウンロードし、A4用紙に印刷して手元に置くのが通例となっています。