言葉の爆発的な拡散を決定づけたのは、一般社会における実用性の高さだった。流行語ノミネート理由を検証すると、単にテレビ番組で多用されただけでなく、一般層が抱えるストレスの「安全な排出口」として機能した点が挙げられる。
小峠なんて日だネットの反応を分析すると、SNS黎明期から現在に至るまで、理不尽なトラブルに巻き込まれた際の鉄板構文として利用され続けていることがわかる。X(旧Twitter)等では、電車遅延、予期せぬ悪天候、仕事のトラブルなどの投稿に「なんて日だ!」の一言を添えるだけで、深刻な愚痴が自虐的なユーモアへと変換される。
また、なんて日だの英語表現と比較してみると、その特異性が際立つ。英語圏における「What a day!」は良い日にも悪い日にも使われる両義的な慣用句であり、災難を強調する場合は「It's just not my day!」などが対応する。一方、小峠の「なんて日だ!」は、哀愁と怒りと笑いが完全に同居した、極めて情緒的かつ日本的なリアクションの完成形と言える。