宇治を語る上で絶対に外せないのが、室町時代から脈々と続く茶商たちの系譜です。名立たる宇治茶老舗おすすめの筆頭として知られるのが、宇治橋のたもとに店を構える「通圓(つうえん)」です。平安末期の永暦元年(1160年)創業と伝えられ、吉川英治の小説『宮本武蔵』や数々の古典文学にも登場する日本屈指の歴史を誇ります。
さらに、安政元年(1854年)創業の「中村藤吉本店」や、天保3年(1832年)創業の「伊藤久右衛門」、伝統の碾茶(てんちゃ)作りに情熱を注ぐ「辻利兵衛本店」など、名門茶舗が独自の哲学をもって技を競い合っています。これらの老舗は単に茶葉を売るだけでなく、高品質な抹茶を惜しみなく使った喫茶文化を開花させました。
現代のカフェカルチャーにおいて一大ジャンルとなった宇治抹茶パフェ元祖の栄誉は、伝統の壁を破り2000年代初頭に竹筒入り「生茶ゼリイ」や抹茶パフェを世に送り出した老舗茶商たちの挑戦にあります。現在も宇治抹茶スイーツ人気ランキングでは、濃厚な抹茶ゼリーと白玉、あずきが織りなすパフェが不動の首位を独走しています。近年では、注文を受けてから目の前で絞り出す「極細抹茶モンブラン」や、茶道用高級抹茶を限界まで練り込んだ「濃茶ジェラート」など、体験型かつ専門性の高いスイーツが次々と登場し、甘味の枠を超えた味覚の追求が続いています。