日本の山岳カルチャーにおいて、山小屋のイメージを大きく変えたきっかけの一つが映画『岳 -ガク-』の大ヒットだった。過酷だが美しい山々の自然美と、そこで生きる人々の情熱を描いた作品は、多くの人々に山の世界への憧れを抱かせた。
かつて命を守る安全地帯としての役割が中心だった避難小屋や山小屋は、公益社団法人日本山岳会をはじめとする関係団体の歴史的な取り組みや啓発活動とともに、より快適で親しみやすい場所へと変化を遂げてきた。その延長線上に誕生したのが、現在の現代的で洗練されたカフェスタイルである。過酷な登山ルートの途中であっても、温かいスープや本格エスプレッソが楽しめる環境は、かつての登山家たちが想像もしなかった快適さをもたらしている。