単なるスキャンダラスな設定にとどまらず、本作が多くの観客の胸を打つのは、それが上質なヒューマンドラマとして緻密に構成されているからだ。家族という普遍的な関係性が持つ絆の深さと、それゆえの息苦しさが、一瞬の表情や沈黙を通して克明に描写される。
血のつながりがあるからこそ許せない過ち、そして言葉にできない愛憎。母として生きようとする姉と、それを受け止めきれない家族それぞれの苦悩が交差するとき、物語は深い共鳴を生み出す。観客はただの傍観者ではいられず、自らの家族観を揺さぶられる感覚を味わうことになる。