水出し紅茶は、お湯を注ぐ通常の紅茶と異なり、苦み成分であるタンニンが出にくく、まろやかな味わいに仕上がるのが特徴だ。しかし、この「熱を加えない」プロセスこそが食中毒リスクを引き起こす最大の要因となる。
通常の紅茶は100度近くの熱湯で淹れるため、茶葉の表面に付着した微量の細菌は自然と死滅する。ところが水で抽出する場合、殺菌プロセスが一切存在しない。特に気温が高くなる季節、常温で数時間放置した水出し紅茶は、細菌にとって絶好の繁殖温床へと化してしまうのだ。
水を入れたボトルをそのままキッチンに一晩放置する行為は、まさに細菌に「増殖してください」と言っているようなもの。軽い腹痛や下痢程度で済めば幸いだが、免疫力が低下している高齢者や子どもにとっては、思わぬ重症化に繋がる恐れすらある。