東京ヤクルトスワローズ時代、彼が見せた司令塔としてのパフォーマンスは今なお伝説として語り継がれる。強肩強打の捕手という枠組みを超え、グラウンド上の監督としてチームを幾度もの日本一へと導いた。特に相手打者の狙い球を外し、ピッチャーの最高の球を引き出すリードは芸術の域に達していた。
兼任監督という過酷な重責を担った経験も、彼の野球観をより多角的なものへと進化させた。プレイヤーとしての視点と組織の指揮官としての視点を同時に保持した経験を持つ人物は、日本プロ野球史においても極めて稀である。その経験が、現在の鋭く奥深い解説の骨組みとなっていることは疑いようがない。