盛岡競馬場の最大の特徴は、外側に1周1,600m(幅員25m)のダートコース、その内側に1周1,400m(幅員16m)の芝コースを配置した二重構造にあります。地方競馬の多くが「1周1,000m〜1,200m前後の平坦な小回りダート」であるのに対し、盛岡競馬場のコース特徴は中央競馬(JRA)の主要競馬場に匹敵するダイナミックなスケールを誇ります。
特に注目すべきは、コース全体に設けられた高低差4.4mの起伏です。バックストレッチ(向正面)の半ばから3〜4コーナーにかけて急な上り坂が続き、直線に向くと一気に下って残り150m付近から再び平坦になるという、極めて過酷なレイアウトが採用されています。この起伏がレース展開に劇的なドラマをもたらします。
盛岡競馬場の芝コース傾向を分析すると、洋芝(ケンタッキーブルーグラスなど)が使用されているため、開幕当初は絶好のクッション性と時計の速さを見せる一方、開催が進むにつれてパワーを要するタフな馬場へと変貌します。内ラチ沿いが荒れてくると、最終直線(芝300m)で外へ持ち出した差し馬・追込馬の強襲が頻発し、単純な「逃げ馬有利」の地方競馬セオリーが通用しなくなります。
一方のダートコースは、地方競馬屈指の直線386.2mを誇り、大井競馬場の外回り(386m)とほぼ同等の長さを持ちます。コーナーのカーブが緩やかなワンターン構造(マイル戦など)では、ペースが緩みにくく、道中で息を入れられない先行馬が最後の急坂と直線で失速するシーンが珍しくありません。盛岡競馬の出馬表やオッズを確認する際は、単に過去の走破タイムだけでなく「アップダウンを苦にしないスタミナ」「直線の急坂で加速できるパワー」を持つ馬を正確に見抜く必要があります。