自然界の法則は、誰かが意図して作ったルールではなく、物質とエネルギーが最も安定かつ効率的に存在しようとする過程で生じる必然的な結果です。物理学における基本的な相互作用から生命の進化プロセスに至るまで、あらゆる現象は無秩序から特定のパターンを形成する性質を持っています。
代表的な例が、熱力学第二法則として知られる「エントロピー増大の法則」です。孤立した系において、秩序ある状態は放置すれば必ず無秩序へと向かいます。部屋が自然に散らかるのも、熱いコーヒーが冷めて室温と均一化するのも、すべてエントロピーが増大する物理的プロセスに他なりません。生命活動とは、外部からエネルギー(食事や日光)を取り込み、局所的にエントロピーを下げて秩序を維持する、極めて動的な闘いそのものといえます。
また、植物の花びらの数やヒマワリの種の配列、貝殻のらせん構造には、「フィボナッチ数列」とそれに紐づく「黄金比(約1:1.618)」が頻繁に現れます。これは神秘的な力によるものではなく、太陽光を最大限に浴びる、あるいは限られた空間に最も多くの種子を詰め込むという、物理的・幾何学的な最適化の帰結です。自然界は常に最小のエネルギーで最大の効率を得る幾何学的な選択を重ねています。