子供向けのイラストなどでは、象が鼻でストローのように直接水をゴクゴクと喉へ吸い込んでいるように描かれることがありますが、実際の吸水メカニズムは異なります。
象の鼻は呼吸器官でもあるため、鼻から直接肺や喉へ水を流し込めば人間と同じように激しくむせてしまいます。実際には、一度に約8〜10リットルの水を鼻の中に掃除機のように吸い上げて溜め込み、それを器用に口の中へ流し込んで飲むという動作を行っています。
さらに、この吸水能力は体温調節や衛生管理にも応用されています。泥や砂を鼻で吸い上げて背中に吹きかけることで、強烈な紫外線から皮膚を守る日焼け止めや、寄生虫除けとしての役割を果たしています。深い川を泳いで渡る際には、鼻先だけを水面の上に出して「天然のシュノーケル」として活用するなど、その用途は極めて多彩です。