放送から年月が経過したことで、ファンの間で事実とは異なる俗説や誤解が定着しているケースが見受けられます。報道資料や制作陣の証言を基に、それらの真相を検証します。
誤解1:モジョ・ジョジョは元から狂気に満ちた凶悪な猿だった?
ネット上のまとめ記事等で「ケミカルXによって凶暴な本性が引き出された」と語られることがありますが、公式の前日譚映画『パワーパフガールズ・ザ・ムービー』で明かされた真相は異なります。爆発前のジョジョは、単に好奇心旺盛で博士の関心を惹きたかった無邪気なペットに過ぎませんでした。彼の凶暴化は、知能の爆発的向上に対して精神が追いつかなかったこと、そして自分を無視してガールズを抱きしめた博士の態度に傷ついた「拒絶のトラウマ」が本質です。
誤解2:ガールズ側は常に純粋無垢な正義の被害者なのか?
作品を再鑑賞した大人の視聴者が驚かされるのは、「ガールズ側の容赦のない暴力性と残酷さ」です。幼稚園児特有の無邪気さと圧倒的な怪力が合わさった結果、戦意を喪失したヴィランを袋叩きにしたり、些細な悪事に対して顔面の骨が砕けるような打撃を加えたりするシーンが多々存在します。ヴィランたちが時に団結するのは、街を支配するためだけでなく、「理不尽な暴力を振るう幼稚園児たちへの正当防衛」というブラックなパロディ構造が巧妙に仕込まれているためです。
誤解3:カレ(HIM)の描写は単なる悪魔崇拝のオカルトなのか?
一部の保護者団体から当時物議を醸したカレのキャラクター造形ですが、原作者クレイグ・マクラッケンは後年のインタビューで、70年代グラムロックや映画『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリーらによるドラァグ・クイーン的表現から強い影響を受けたと述べています。善悪の二元論に囚われないジェンダーレスで妖艶な造形美は、2020年代の現代アニメーション界における多様な表現の先駆けとして、今や批評家筋から極めて高い評価を得ています。