事態が急変したのは、放課後の穏やかな時間帯だった。京都府内の住宅街において、普段通りの通学路を歩いていた行方不明小学生の姿が、防犯カメラの記録から忽然と消えた。友人と別れた直後、自宅までのわずか数百メートルの区間で何が起きたのか。警察の調べによると、ランドセルや身の回りの所持品が道端に残されていた形跡はなく、争ったような物音を聞いた住民もいない。
日没とともに気温が急降下する中、近隣住民や消防団も加わった捜索隊が結成された。用水路の底から雑木林の奥深くまで、光を照らしながら隈なく探す作業が深夜まで続く。しかし、手掛かりは極めて乏しい。地域一帯に響くサイレンの音が、焦燥感をいや応なく駆り立てている。