それぞれのフィールドで築いた実績も圧倒的だ。渡哲也は『西部警察』で大門軍団のリーダーを演じ、日本テレビドラマ史に残る爆破アクションとスケール感で全国を魅了した。男気と正義感を体現したその姿は、昭和のアクションヒーローの決定版となった。
かたや渡瀬恒彦は、実録映画の金字塔『仁義なき戦い』シリーズなどで異彩を放った。狂気を含んだ凄みと破天荒なエネルギーは、当時の日本映画界に強烈な爪痕を残した。後年はサスペンスや人間ドラマの主演としてお茶の間に愛される名優へと昇華していく。
スケール感あふれる大作を率いた兄と、泥臭く役の真髄を掘り下げ続けた弟。二人の異なる進化が、昭和から平成のエンタメ界をより豊かなものにしたのは疑いようもない。