2000年代初頭、過激なドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』が世界に与えた衝撃は大きかった。30日間マクドナルドの食事だけを摂り続けた監督の試みは、ファストフード=肥満と健康障害の元凶という強烈なパブリックイメージを植え付けた。しかし、創業者レイ・クロックが築き上げた近代的なフランチャイズシステムと品質管理の基盤は、その後大きな自己革新を遂げることになる。
巨大サイズの廃止やサラダメニューの拡充、調理油のトランス脂肪酸低減など、社会からの要請に応える形でメニュー改革が断行された。半世紀以上前に確立された迅速な提供システムはそのままに、現代的なヘルスケアの価値観を取り入れることで、マクドナルドは「罪悪感の象徴」から「コントロール可能な選択肢」へとその立ち位置を変容させてきたのだ。