喉に有痛性の水泡ができる三大ウイルス疾患が、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「単純ヘルペス咽頭炎」です。これらは病変が出現する部位や全身症状のパターンに明確な差異が存在します。
ヘルパンギーナの喉の症状は、口蓋垂(のどちんこ)の周囲や軟口蓋と呼ばれる喉の奥の天井部分に、直径1〜2ミリ程度の小水泡が多発するのが特徴です。口蓋垂の水泡は短時間で破れて灰白色の浅い潰瘍となり、39度前後の急な高熱と激しい嚥下痛が3〜4日持続します。乳幼児に多い病気ですが、大人が初感染または免疫低下時に罹患すると重症化しやすく、飲食が困難になるほどの激痛に襲われます。
一方、手足口病の喉のぶつぶつは、喉だけでなく舌、頬粘膜、歯肉、さらには手のひらや足の裏、臀部に特有の発疹が出現します。ヘルパンギーナに比べて喉の痛みや発熱の程度はやや穏やかな傾向がありますが、飛沫・接触感染に加えて便中からのウイルス排出が数週間に及ぶため、家庭内や職場での喉の水泡の感染力には厳重な警戒が必要です。
さらに見逃せないのが、HSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)による単純ヘルペス咽頭炎です。歯肉炎を伴いながら喉の奥や咽頭後壁にびらん性の水泡が広がり、高熱とともに頸部リンパ節の著しい腫脹を伴うことが特徴です。