旅行者が最も注意しなければならないのが、海岸で見つけた星の砂の持ち出しに関するルールです。インターネット上では「少しくらいなら記念に持って帰っても大丈夫」「ポケットに入れて持ち帰った」といった古い体験談が見受けられますが、現在は重大な法令違反につながる行為となっています。
沖縄県内の代表的な星砂海岸の多くは、「西表石垣国立公園」をはじめとする国立公園や国定公園の指定区域内に位置しています。自然公園法第20条および関連規定により、特別地域内における土石(砂を含む)や植物・動物の採取・損傷は厳格に禁止されています。
環境省や沖縄県、地元自治体による啓発看板が各ビーチに設置されており、違反者には「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」といった罰則が科される可能性があります。手で砂をすくい、持参したボトルやビニール袋に詰めて持ち去る行為は、明確な採取規制違反に該当します。
法的な制約だけでなく、深刻な環境破壊の側面もあります。かつて竹富島や西表島の砂浜は、歩けば足元が一面星の砂で埋め尽くされるほどでしたが、数十年間に及ぶ年間数十万人規模の観光客による持ち帰り、沿岸環境の変化、台風の進路変化などによって、星の砂の堆積量は著しく激減しました。
現地での正しい楽しみ方は、「手のひらを砂浜に軽く押し当て、手のひらにくっついた星の砂をルーペやスマートフォンカメラで観察し、観察後はその場にそっと払い落として海へ返す」というスタイルです。旅の記念として自宅に持ち帰りたい場合は、許可を受けた事業者が管理海域から採取・加工した瓶詰めのお土産を現地の売店やショップで購入することが推奨されます。