中島みゆきがなぜ結婚を選ばなかったのかについて、本人が公式の場で詳細に語る機会は極めて少ない。だが、過去のラジオ番組やインタビューでの発言を辿ると、彼女ならではのユーモアと、表現者としての確固たる誇りが見えてくる。
若き日のラジオで結婚観を聞かれた際、彼女は「家事と音楽の両立ができるほど器用ではない」「一人で過ごす時間が自分にとっての創作の原動力」といった趣旨の発言を残している。彼女にとって楽曲を生み出す作業は、魂を削るような孤独な作業だ。誰かと生活を共にすることでその孤独が薄れてしまうことを、無意識のうちに避けていたのかもしれない。
また、世間が押し付ける「女性の幸せ=結婚」という固定観念に対しても、彼女は終始軽やかな距離を保ち続けてきた。自らの足で立ち、自らの言葉で世界を表現する。その自立した生き様こそが、多くの女性ファンを惹きつけてやまない理由なのだ。