大阪平野に広がる大仙陵古墳(仁徳天皇陵)を含む百舌鳥・古市古墳群(ユネスコ世界文化遺産)は、5世紀におけるヤマト王権の絶頂期を象徴している。墳丘長486メートルという圧倒的なスケールは、エジプトのピラミッドや中国の秦始皇帝陵にも匹敵する土木事業の結晶だ。
この時期の巨大化は、単なる国内向けの示威行為にとどまらない。当時、朝鮮半島情勢が緊迫化するなか、大陸からの使節や渡来技術集団に対して王権の圧倒的な国力を誇示するための外交的モニュメントでもあった。仁徳天皇の名で語り継がれるこの巨大マウンドの周囲からは、膨大な鉄製武器や甲冑、馬具が出土しており、海上交通の要衝である大阪湾を睨む位置にこれほどの規模で築造された必然性を裏付けている。