診断直後に検索し、多くの人がショックを受けるのが「5年生存率」の数値です。国立がん研究センター等の過去の全国集計データでは、卵巣がんステージ4の5年相対生存率は約20%〜30%前後と示されています。しかし、この数値をそのまま受け取って将来を悲観する必要はありません。
がん統計の仕組み上、発表される5年生存率データは約7〜10年前に診断・治療を開始した患者群の実績に基づいています。すなわち、分子標的薬の維持療法が標準化される前のデータが色濃く反映されているのが実態です。卵巣がん5年生存率データ推移を詳細に追跡すると、ゲノム医療が定着した直近のコホートでは生存期間中央値が顕著に延伸しています。
医師から告げられる「余命」も、あくまで過去の膨大な集団データに基づく統計学的平均値に過ぎません。患者一人ひとりの体力、組織型、遺伝子プロファイル、治療への反応性によって経過は百人百様です。平均余命を自身の絶対的な期限と捉えるのではなく、最新治療をいかに的確に選択するかの指針として向き合う姿勢が求められます。