現在、教育業界ウォッチャーや受験生が最も注視しているのが大学運営の持続可能性です。東京の恵泉女学園や神戸の神戸海星女子学院など、伝統ある名門女子大の募集停止が相次いだことで、ネット上では「次はノートルダムも危ないのではないか」という根拠のない風評が拡散されるケースが見受けられます。
客観的な事実として、京都ノートルダム女子大学の定員割れの理由は、少子化の加速に加え、女子受験生の共学志向シフトと実学志向の急速な高まりにあります。高度経済成長期からバブル期にかけて「良妻賢母」「一般職への手堅い就職」を強みとしていた女子高等教育モデルそのものが、共働きを前提とする現代の高校生のキャリア観と乖離し始めたことが最大の要因です。
では、噂される京都ノートルダム女子大学の共学化の可能性はどうなのでしょうか。理事会および大学執行部はこれまで、創立母体である「ノートルダム教育修道女会」のキリスト教カトリック精神と女性のエンパワーメントを大学のアイデンティティとして掲げ続けてきました。現時点において、公式に共学化を検討している事実や発表は存在しません。
安易に看板を「共学」へ掛け替えるのではなく、先述の「社会情報学部」の創設に見られるように、女子大というフレーム組みを維持したまま、現代の産業界が求めるデータサイエンスやデジタルリテラシーを注入することで単独生き残りを図る戦略を選択しています。公表されている京都ノートルダム女子大学の現在における募集状況を見ても、学部改組の効果により情報分野を志望する新たな女子受験生層の掘り起こしに注力しており、伝統校としてのブランドと時代の要請を両立させる模索が続いています。