スーパーの精肉売り場で見かける「ボイル済みホルモン」を購入した場合、ボイルモツの下処理は必要かという疑問を持つ方は少なくありません。結論から言えば、「最低限の湯通しまたは酒洗い処理は必須」です。
市販のボイルモツは加工段階で一度加熱されていますが、パック詰めされてから消費者の手に渡るまでの間に、残存した微量油脂が空気に触れて過酸化脂質へと変化しています。この酸化臭が「買ってきたボイルモツ特有の嫌な匂い」の正体です。熱湯をサッとかける(湯かけ処理)か、酒を振って揉んでからキッチンペーパーでドリップを拭き取るだけで、料理の仕上がりに歴然とした差が生じます。
また、豚モツと牛モツの下処理の違いを正しく把握しておくことも極めて重要です。
豚モツ(大腸・小腸・ガツなど)は筋肉繊維が密で脂質が少なく、特有の野性味ある芳香を持っています。そのため、味噌仕立ての「もつ煮込み」のように、ネギの青い部分や生姜とともに10分〜15分程度しっかり茹でこぼす手法が適しています。一方で、もつ鍋の主役となる牛モツ(コプチャン・シマチョウ)は脂の甘みこそが本体であるため、前述の通り1分前後の短時間フラッシュボイルで仕上げなければなりません。豚モツと同じ感覚で牛モツを煮こぼしてしまうミスが、家庭での失敗の大半を占めています。