本作の圧倒的なクオリティを牽引したのは、まさに主役級が勢揃いした主要キャスト4名の演技力でした。彼らは本作を経てさらなるキャリアの頂点を極め、現在に至るまでエンターテインメント界の第一線で活躍を続けています。
主人公・南方仁を演じた大沢たかおは、繊細な苦悩と医師としての確固たる信念を体現し、ドラマアカデミー賞主演男優賞など数々の賞を総なめにしました。その後も映画『キングダム』シリーズの王騎役で驚異的な肉体改造と圧倒的オーラを披露し社会現象を巻き起こしたほか、映画およびドラマシリーズ『沈黙の艦隊』では主演のみならずプロデューサーとしても手腕を発揮。日本映画界を背負って立つトップ俳優として、その存在感は年々増しています。
ヒロイン・橘咲役の綾瀬はるかは、武家の娘ならではの凛とした佇まいと、仁への報われない無償の愛を切なく演じきり、国民的女優としての地位を不動のものにしました。その後、NHK大河ドラマ『八重の桜』での主演をはじめ、映画『リボルバー・リリー』での本格アクション、コメディからシリアスな人間ドラマまで、幅広い役柄を変幻自在に演じ分ける日本屈指のスターとして輝き続けています。
花魁・野風と現代の恋人・友永未来の二役を演じ分けた中谷美紀は、絢爛豪華な着物に身を包んだ吉原随一の美貌と、哀愁を帯びた「ありんす」言葉で視聴者を魅了しました。映画『嫌われ松子の一生』などで確立していた高い演技力は本作でさらに際立ち、近年はドイツ出身の世界的ヴィオラ奏者との結婚を経て、日本とオーストリアを拠点に国際的な視野で舞台や映画・ドラマに出演。洗練された知性と美意識で唯一無二のポジションを確立しています。
そして、豪放磊落かつ人間味あふれる坂本龍馬を演じた内野聖陽の怪演は、「歴代の実写化作品で最もリアルな坂本龍馬」と絶賛されました。徹底的な土佐弁の習得と泥臭い熱演でドラマを牽引した内野は、その後もドラマ『きのう何食べた?』シリーズでの繊細な演技から舞台での重厚な古典劇まで圧巻の演技幅を見せ、紫綬褒章を受章するなど日本を代表する名優として高い評価を得ています。