ポケダン空の探検隊はなぜ神ゲーなのか?リメイクの真相と時闇との違い

ポケダン空の探検隊はなぜ神ゲーなのか?リメイクの真相と時闇との違い

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本作のシナリオを語る上で避けて通れないのが、草タイプポケモン屈指の英雄としてファンに刻まれているジュプトルの存在です。

当初は「時の歯車」を盗み出し、星の停止を目論む凶悪犯として主人公たちの前に現れます。しかし、物語が進むにつれて明らかになるのは、彼こそが「光を失い、闇に閉ざされた未来の世界」を救うために過去へと跳躍した真の勇者であるという衝撃の事実でした。時の歯車を集めて世界の崩壊を止めることは、未来の歴史を書き換えることを意味します。すなわち、未来からやってきたジュプトルや主人公自身が「世界の時間の正常化と同時に、存在そのものが消滅する」という過酷な代償を支払う覚悟を背負っていたのです。

「たとえ自分が消え去ろうとも、遺された世界に朝日が昇るなら、その命には意味がある」という実存主義的な覚悟。ヨノワールとの死闘を経て放たれるジュプトルの言葉の数々は、思春期のゲーマーだけでなく大人の心をも激しく揺さぶります。

そして迎えるストーリー結末。時限の塔の崩壊を防ぎ、パートナーに涙ながらに看取られながら光となって消えていく主人公。パートナーが海岸で一人、主人公の存在を思い返して慟哭するクライマックスは、愛着理論における「対象喪失(グリーフ)」と「受容」のプロセスを極めて鮮明に描き出しており、日本のゲーム史に残る屈指の名場面として語り継がれています。

さらに『空の探検隊』限定のスペシャルエピソード第5話「暗黒の未来にて」では、未来へ送り返されたジュプトルとヨノワールが、迫り来る消滅のタイムリミットの中で奇跡的な和解と共闘を果たします。本編で残された哀惜の念に対し、これ以上ない救済と光を与えるこの物語こそ、本作が『時・闇』を超えて崇拝される真髄です。

山田 真由
著者

山田 真由

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