ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』の主題歌として書き下ろされた「あなたに恋をしてみました」は、放送開始と同時に視聴者の心を掴みました。その最大の勝因は、主演の杏(藪下依子役)と長谷川博己(谷口巧役)が演じた「恋愛感情を持たない超合理主義者」の二人が、予期せぬ感情の揺らぎに戸惑う心理描写と、楽曲の歌詞世界が見事に共鳴していた点にあります。
当時のインタビューにおいて、chayは脚本家・古沢良太が描く緻密なプロットを何度も読み込み、主人公・依子の硬直した論理が「恋」という不条理な感情によって崩れていく瞬間をメロディへと昇華させたと振り返っています。理屈では割り切れない胸の高鳴りを、あえてクラシカルなガールポップのフォーマットに落とし込むことで、ドラマ本編のテンポの良い会話劇と完璧なコントラストを生み出しました。
さらに、オープニング映像でキャスト陣が見せたレトロなダンスやコミカルな仕草は、視聴者に強烈な視覚的インパクトを残しました。ドラマの看板である月9オープニング曲としての役割を十二分に果たし、作品の世界観へ一瞬で引き込むスイッチとして機能したことが、ロングヒットの強固な基盤となったのです。