スマートフォンの画面越しに世界を見ることに、人々は少し疲れ始めている。かつてはインスタグラムの投稿用に写真を撮る若者で溢れた境内も、最近は少し様子が異なる。カメラをバッグにしまい、ただ目を閉じて佇む人の姿が目立つのだ。
情報過多の時代において、何もないこと、静かであること自体が最大の贅沢になりつつある。須佐神社を訪れる現代人は、神仏に現世利益を祈るというよりは、自らの内面をリセットするための「空白」を求めているのかもしれない。消費される観光から、自己と向き合う旅へ。人々の意識は確実に変化している。