インターネット上の掲示板やSNSでは、「四月一日」に関してさまざまな俗説や誤解が飛び交っています。名字研究の視点から、代表的な誤解と事実関係を整理しておきましょう。
誤解1:エイプリルフール(4月1日)の洒落で作られた名字である?
これは完全な誤りです。近代以降の西洋文化であるエイプリルフールが日本に定着するはるか昔、鎌倉時代から室町時代、江戸時代の文献記録にすでに「四月一日」「綿貫」の記述が存在します。あくまで旧暦の年中行事(衣替え)と掛詞の文化に根ざした純国産のルーツです。
誤解2:「四月朔日」と「四月一日」は同じ意味なのか?
漢字の「朔日」は「ついたち(新月)」を意味するため、暦の上では同じ4月1日を指します。しかし名字の世界では明確な違いがあります。「四月朔日」と書く名字は、富山県や石川県など北陸地方に多く分布し、読み方は「つぼみ」と読むのが一般的です(一部地域で「わたぬき」と読む家系もあります)。旧暦4月1日頃に草木の「つぼみ」が開き始める季節感に由来しており、衣替えを由来とする「四月一日(わたぬき)」とは着眼点が異なります。