事件の異常性は、文芸や報道の世界にも決定的な影響を及ぼした。作家の佐木隆三をはじめとする表現者たちは、犯罪者の生い立ちや家庭環境、少年たちの閉鎖的な力関係を丹念に取材し、歪んだ心理構造を抉り出した。
佐木が著した『悪の履歴書』などの社会派ノンフィクションは、単なるセンセーショナリズムに陥ることなく、なぜ少年たちが怪物へと変貌していったのかを執拗に追及した。当時のジャーナリズムが直面したのは、少年法61条が定める推知報道の禁止と、知る権利および再発防止の啓発との間で引き裂かれる葛藤だった。この事件を境に、メディアの犯罪報道姿勢そのものが厳しく問い直されることとなった。