初めてこの屋号を目にした人の多くが抱く疑問が、「二両半(にりょうはん)」という独特な名前のルーツです。大阪のラーメン史を遡ると、そこには京都の名門「本家 第一旭」を源流とする関西ラーメン黎明期のドラマが息づいています。
「二両半 店名の由来」には、江戸時代の貨幣制度にまつわる情緒的な背景が存在します。「二両」というまとまった価値に対し、さらに「半両」の満足や心づくしを上乗せする――すなわち、「支払った代金以上の価値と満腹感をお客様に持ち帰っていただく」という創業者の実直な商売哲学が込められていると伝えられています。一説には、職人が「一丁前に二両半の働きをする」という気骨を表した言葉とも言われ、浪速の商人文化と職人気質が融合した見事なネーミングです。
味の系譜としても、二両半は京都たかばしを発祥とする「第一旭系(アキラ系)」の流れを汲んでおり、鶏ガラや魚介に頼りすぎず豚骨をじっくり炊き出したスープに濃口醤油を合わせる製法を受け継いでいます。京都の文化が鶴橋という独自の多文化都市で磨かれ、浪速っ子の舌に合わせてブラッシュアップされた結果が、現在の「二両半 醤油豚骨ラーメン」の姿なのです。