ボブ・マーリー「スリーリトルバーズ」誕生秘話とアヤックス応援歌の真相

ボブ・マーリー「スリーリトルバーズ」誕生秘話とアヤックス応援歌の真相

ボブ・マーリー「スリーリトルバーズ」誕生秘話とアヤックス応援歌の真相にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「Three Little Birds」を単なる陽気なヒーリングソングとして受け取るだけでは、ボブ・マーリーがこの曲に託した真意の半分も見落とすことになります。曲の中核をなすのは、誰もが一度聴けば口ずさめる象徴的なリフレインです。

「"Don't worry about a thing, 'Cause every little thing gonna be alright"(何ひとつ心配することはない、どんな小さなことだって全部うまくいくから)」。

ジャマイカの公用語であるパトワ語(ジャマイカ・クレオール)のニュアンスを含んだこのフレーズにおいて、英語の文法的な正確さを超えて繰り返される「every little thing」という言葉の選択にこそ、ボブの哲学が宿っています。人生を揺るがす巨大な苦難であっても、宇宙や自然の摂理、神(ジャー)の視点から見つめ直せば、すべては移ろいゆく「小さな出来事」にすぎないというラスタファリの深い信仰心が投影されているのです。

朝目覚めると、昇る太陽とともに窓辺に舞い降りてきた3羽の小鳥が、甘く澄んだメロディを歌いかける――。歌詞に描かれる情景は極めてシンプルでありながら、人間の根源的な恐怖や孤独を溶かす圧倒的な肯定力を持っています。言葉数を極限まで削ぎ落とし、聴く者を選ばずに直接魂へと語りかける音響構造こそ、本作が半世紀近くにわたり世界中で歌い継がれている決定的な理由です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。