火災はある日突然前触れもなく起きるわけではありません。火炎が立ち上る前には、日常の中で見逃してはならないコンセント発火の前兆が必ず現れます。以下の兆候に心当たりがある場合、その配線はすでに崩壊の秒読み段階に入っています。
- プラグを抜き差しするとき、以前に比べて手応えがスカスカで緩い
- 使用中の電源プラグやコードの根元を触ると、持っていられないほど熱い
- タップの樹脂部分が黄色く変色していたり、焦げたようなプラスチック臭が漂う
- プラグを差し込んだ瞬間に、パチッと大きな火花(スパーク)が散る
こうした過負荷発熱と並んで警戒すべきが、ほこりと湿気の漏電リスクが引き起こす「トラッキング現象」です。壁と家具の隙間、テレビの裏側などに長年放置されたコンセントには、綿ぼこりが堆積します。そこに梅雨時の高湿度や結露、加湿器のスチームなどの水分が加わると、ほこりが微細な電気を通す導電体へと変質します。
両電極間で微小な放電(シンチレーション)が繰り返されると、プラグ表面の絶縁樹脂が徐々に炭化し、電気を通す「炭素の見えない道(トラック)」が形成されます。これが完了した瞬間、ショートして激しく発火するのです。効果的なトラッキング現象対策としては、半年に一度の定期的な乾拭き清掃、プラグ根元に絶縁コーティングが施された製品の使用、ホコリの侵入を物理的に遮断するシャッター付きタップの導入が極めて実効性の高い防衛策となります。