閉館から時間が経過した今もなお、地域住民やかつての常連客から惜しむ声が寄せられ続けています。裾野ヘルシーパークが提供していた価値とは一体何だったのか、SNSや地域の生の声、現地での利用実態を改めて検証します。
利用者の口コミ評判で圧倒的に高評価を集めていたのが、「開放感あふれる露天風呂からの富士山眺望」と「泉質の良さ」でした。カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)の湯は、肌触りが柔らかく、体の芯から温まると評判でした。遮るもののない大空の下、裾野の豊かな緑の向こうにそびえる霊峰富士を眺めながらの入浴は、首都圏や中京圏から訪れるドライブ客にとっても唯一無二の体験でした。
一方、地元住民にとっての存在意義は観光にとどまりませんでした。温水プールでは水中ウォーキング教室や健康増進プログラムが定期的に開催され、高齢者のリハビリテーションや運動習慣の維持に直結していました。近隣住民の手記や地域コミュニティでの証言には、次のような切実な言葉が並びます。
「膝の手術後、ヘルシーパークのバーデプールで毎日歩くのが生きがいだった。閉館してからは運動量が激減し、仲間と顔を合わせる機会もなくなってしまった」
「小さな子どもを連れて安心して遊べる温水プールと、祖父母がくつろげる和室の大広間が同居した場所は他にない。三世代で一日中過ごせる貴重な拠点だった」
単なる商業施設ではなく、「地域の健康増進インフラ」かつ「多世代が交わるサードプレイス」として深く地域に根ざしていたからこそ、閉館がもたらしたコミュニティの喪失感は今もなお尾を引いています。