斎藤工さんの生い立ちを語る上で欠かせないのが、小学生時代に受けたシュタイナー教育です。東京都港区で生まれた斎藤さんは、小学校に上がるタイミングで全人教育を掲げる「東京シュタイナーシューレ(現・シュタイナー学園)」へ入学しました。
シュタイナー教育は、点数評価や教科書を使わず、芸術や自然体験を通じて子供の内面や感覚を育てる独自のアプローチで知られています。その方針の一環として、家庭内では「テレビの視聴が原則禁止」とされていました。受動的なメディアによる刺激を抑え、子供本来の想像力や五感を磨くための教育方針でした。
当時の同世代が人気アニメやバラエティ番組の話題で盛り上がる中、テレビカルチャーに触れずに育った斎藤さん。周囲とのギャップに戸惑うこともあったそうですが、この「何もないところから自分で空想し、表現を生み出す」という特殊な環境こそが、クリエイティブな感性を育てる強固な土台となりました。