青鬼がここまでの大掛かりな劇場型犯罪を仕掛けた動機は、単なる社会への恨みではありません。そこには、愛する妹・日向聡介と里親の命を理不尽に奪われた深い悲劇が存在していました。
界星堂病院で発生した感染症事故の際、隠蔽のために見殺しにされた被害者たち。その中には、青鬼が心から大切にしていた家族が含まれていたのです。警察や医療機関のトップが結託して事実を闇に葬ったため、法の裁きを期待できないと悟った大和は、同じ境遇の遺族たちを集めて「鬼」を結成しました。
彼の真の目的は、私刑そのものよりも「国民全員の監視下で権力者の嘘を暴き、世間に真実を裁かせること」にありました。生配信という現代的な拡散力を武器に、世論を味方につけながら巨大な国家権力を引きずり下ろすことが、青鬼の描いた完全なるシナリオだったといえます。