教育事業を学校法人として運営することには、絶大なメリットが存在する一方で、事業展開上の重い制約やデメリットも存在します。
学校法人を設立・運営する主なメリット
第一の特権は圧倒的な税制優遇です。本来の教育研究活動から生じる授業料収入、入学金、検定料などは法人税が完全非課税となります。さらに、教育に直接使用する校地や校舎には固定資産税・都市計画税が非課税となり、不動産取得税や登録免許税も大幅に減免されます。民間企業や個人から寄附金を受け取る際にも「受配者指定寄附金」や「特定公益増進法人への寄附」として寄附者側に大きな税額控除・損金算入が認められるため、資金調達面で圧倒的な優位性を誇ります。
見落としてはならないデメリットと経営の制約
一方のデメリットは、資金の流動性と自由な事業多角化の制限です。学校法人は「収益事業」を行うことが認められていますが、その範囲は文部科学省の告示によって厳しく限定されており、得られた利益はすべて学校の運営費に繰り入れなければなりません。
また、役員報酬の決定プロセスも極めて厳格です。民間企業のようにオーナー経営者が独断で巨額の役員報酬や退職慰労金を設定することはできず、客観的で社会通念上妥当な支給基準を定め、公表することが求められます。万が一、法人が解散した場合でも、残った財産を創業家が私有財産として回収することはできず、国や他の学校法人へ無償移管されるルールとなっています。