SNSの普及によって若者を中心に爆発的な広がりを見せたため、「今日も今日とて」をネットスラングやアニメ・漫画発祥の造語だと思っている読者もいるかもしれません。しかし、この言葉の歴史は非常に古く、由緒正しい日本語の伝統に根ざしています。
言葉の成り立ちを紐解くと、「今日も今日とて」の語源は古語の係助詞「とて」にあります。「〜とて」は「〜といって」「〜だからといって」という意味を持つ助詞で、同語を重ねることで「今日という日もまた同様に」という反復や強調のリズムを生み出しています。
古典文学や近世の歌舞伎、浄瑠璃などの戯曲においても、「昨日も昨日とて」「今日も今日とて」「明日も明日とて」という三段構えのリフレインで、果てしなく続く境遇や日々の繰り返しを情緒豊かに語る手法が用いられてきました。現代のネットカルチャーは新しい言葉を生み出したのではなく、日本人が古来持っていた心地よい語感を再発見し、短文投稿のフォーマットに見事にマッチさせた形です。