この事件を広く知らしめるきっかけとなったのが、園子温監督による2011年公開の映画『冷たい熱帯魚』です。俳優・でんでんが怪演した熱帯魚店主・村田幸雄のモデルこそが関根元でした。
劇中で描かれた、親しみやすい笑顔から一瞬で冷徹な脅迫者へと豹変する姿、被害者の死体を前に陽気に冗談を飛ばしながら解体を進める狂気は、決してフィクションの誇張ではありません。共犯者として逮捕され、後に手記『共犯者』を上梓した元従業員・山崎永幸(仮名)の告白によれば、現実の関根は映画以上に異様で支配的な存在でした。
関根は獲物を捕らえる際、まず圧倒的な親切さと魅力的なビジネスの話で相手を懐柔します。そして相手が気を許した瞬間に毒物を投与し、犯行を目撃させた協力者に対しては「お前も同罪だ。警察に行けば家族皆殺しだぞ」と徹底的な脅迫を加えました。元従業員の証言によると、解体現場での関根は鼻歌を歌いながら作業を進め、肉片を「透明にする」過程をまるで日常業務のように処理していたといいます。
ネット上の掲示板やSNSでは現在も「でんでんの演技がリアルすぎてトラウマ」「現実の事件を調べたら映画のほうがまだ手加減されていた」といった声が絶えません。関根の持つ底知れぬ魅力と恐怖の二面性は、周囲の人間を抗えない共犯関係へと引きずり込むカルト教祖にも似た破壊力を持っていました。